歯周病の患者さんの審美修復

●治療した前歯の根元が黒くなってる

せっかく前歯を治したのに、しばらくして根元が黒く見えてきたという方は、多くいらっしゃいます。これは、最初はきれいに歯肉で覆われていたのですが、歯周病や強いブラッシング等により歯肉が退縮して、根元が見えて見苦しくなってしまうからです。これを防ぐには、健康な歯肉を手に入れる必要があります。

●歯周外科を駆使して


1枚目は初診時の写真です。前歯の3本セラミックが被せてありますが、その根元が黒くなっています。患者さんは接客業をしており、お話をするときにいつも口元が気になっていたそうです。写真で見る限り歯肉に炎症は見られませんが、実は結構深いポケットが存在し、中等度の歯周病に罹患しています。

歯周病の治療には、近道はありません。地道にブラッシング指導や歯石の除去等を行い、歯の周りの汚れを根気よく取っていきます。さらには、歯周外科を用いて徹底的に原因の除去を行います。また、エムドゲインを用いた再生療法も行っています。

一通り歯周治療が終わった状態です。歯と歯の間に隙間がありますね。歯の形態も調和がとれていません。ただ、歯肉の状態は良くなっています。この頃になると、歯周病治療の効果が患者さんにも「歯茎がしっかりしてきた」とか「口臭が無くなった」といったことで実感が出てきます。次に仮歯の形を整えながら、歯肉の状態が安定するまで約半年程待ちます。半年というのは、生体の治癒にかかる時間であるために短くすることはできません。これをあせって、最終的なものを入れてしまうと、最初のような結果になってしまいます。

       

そして、半年後に最終的なセラミックを入れたのがこの写真です。ブラックトライアングルと呼ばれる歯と歯の間の隙間が無くなっています。形も大きさもバランスが取れていますね。何より、歯肉がとてもきれいになりました。


口元の美しさを決める一つの要素に、歯の長さのバランスがあります。これはスマイルラインと呼ばれており、笑ったときに上の前歯の先端を結んだラインと下唇のラインが同じよう弧を描くようにすることが必要だと言われています。これは、歯茎の高さのラインも同様です。初診時の歯肉のラインは上に尖ったへの字を描いていますが、最終的なセラミックを入れた時点では下に弧を描くところまでは整っていないものの、ほぼ一直線で、違和感の少ない歯肉ラインに仕上がっています。実は、これを下に弧を描くようにするのは簡単なことで、左右の犬歯の歯肉を切除して、歯肉を上げてあげれば良いのですが、患者さんがさらなる審美目的の外科処置を望まれていなかったため、この辺りでというところで終了しました。歯周病で歯茎の状態が悪いところからの審美修復だったため難易度が高く、長期間に及ぶ治療でしたが、患者さんには満足して頂き、ホッとした症例です。

エムドゲインによる再生療法 1回    ¥50,000(税抜き)
オールセラミック 1本 ¥110,000×3 = ¥330,000(税抜き)

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