矯正と連携して仕上げた審美修復

●前歯の中心が開いていて息が漏れてしまう

前歯の中心が開いてしまっているのを専門用語で「正中離解」と言います。正中離解があると審美的な障害だけでなく発音しづらいなどの機能的な障害もでてきます。今回は、矯正医と連携して前歯の審美的な修復を行いました。

●真ん中が開き、歯も小さい

       

50代の女性が前歯の中心から息が漏れるということで、見た目もあわせてきれいに治して欲しいとご要望がありました。上の写真をご覧ください。真ん中が広く開いています。しかも、前歯が小さいために矯正で真ん中を詰めても、他に隙間ができてしまいます。そこで、矯正して歯をバランスよく配置し、被せ物で形態を整えることにしました。

●ポイントは歯肉の形状

  

まずは、歯をどれくらい動かせばいいのか、模型上でシミュレーションを行います。左の写真は、模型を糸鋸で歯ごとに切断し、どれくらい歯を動かせばきれいな配置ができるのかを診断します。次にブラケット呼ばれる透明な装置を付け、ワイヤで動かす方向を決めて、ゴムで歯を動かします。判りづらいかもしれませんが、真ん中が矯正を始めた時の写真で、右がかなり目的の位置まで動いてきた写真です。写真右側の犬歯に位置を見てください。外に開いていたのが、だいぶ内側に締まってきていますね。この後、もう少し真ん中の歯を寄せて、次のステップへと進みました。矯正で約3ヶ月程かかっています。

●きれいに歯を削ることがきれいな被せ物を作るのには必要不可欠です

       

       


歯茎を傷つけないように、歯と歯茎の溝に糸を入れて、歯茎を歯から離して丁寧に削っていきます。若い人だと、削ることで歯の神経が露出してしまうことがあるため、写真のようにしっかり削ることはリスクがありますが、このかたの場合は神経の部屋(歯髄腔)が狭窄しているために、知覚過敏の心配はあまりありませんでした。
矯正をした時は、必ず歯の後戻りと言われる現象が生じます。歯牙もとあった位置に戻ろうとしてしまうのです。それを防ぐため、今回はすべての歯を連結することにしました。そのため、歯を削る時には、被せ物がストンと入るように、平行性を確認しながら仕上げなければなりません。次の写真をご覧ください。削られた歯は、すべて同じ方向に削られていますね。そして仮歯を作って入れたのが最後の写真です。仮歯は、最終的なもののシミュレーションに役立ちます。患者さんに使い心地や、形の善し悪し等を伺いながら、最終的なものの形態を絞り込んでいきます。ここまで来ると患者さんの表情が変わってきます。

●きれいな型を取ることがきれいな技工物を作ってもらう最低条件

  

さて、いよいよ型取りの段階です。これがうまくないと出来上がってくる技工物もきれいなものは望めません。大切なのは、歯と歯肉の境目です。歯肉の縁より少し深く歯を削り、歯と被せ物の境界を歯肉で隠すことでより高い審美性が得られます。どこまで削ったのかを精密に再現するために、歯と歯肉の境目に2種類の糸を入れて歯と歯肉の溝を広げ、型を取る材料が入り込みやすくします。そして取ったものが次の写真です。削った縁がはっきりと印記さていますね。

●いよいよ完成です

  

今回は金属を使わずにすべてセラミックで作りました。白いのがセラミックのフレームです。この白いフレームはとても強度のあるセラミックを使っています。その上にさらに陶材を盛りつけて完成したのが次の写真です。若干黄色いですが、今回は患者さんの要望で「あまり白くせずに、周囲に調和した色合いでお願いします。」ということでしたので、それにあわせて作っています。ご覧のように最初の写真とは別人のような前歯になりました。患者さんにも大変喜んで頂いてます。

さて、今回矯正と被せ物に要した期間は、約6ヶ月。
オールセラミック  ¥110,000×6 = ¥660,000(税抜き)
矯正         ¥60,000(税抜き)

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